僕の話を聞いてくれ。
僕は信じた瞬間にいつも裏切られる。
いつからだったかな。
最初はたぶん幼稚園の遠足。
天気予報じゃ晴れだった。降水確率0%の日。
なのに突然500mmを超える大雨。
なんだよこれ。雨?雨なのか?
なんだよぜんぜん大丈夫。カサさせば行けるよ。
ねぇ母さん。僕たちだけでも遠足行こうよ。
カサさせばぜんぜん大丈夫だよ。ねぇ。
自転車出してよ。後ろに乗せてよ。母さん。
泣いたよ。信じてたのに。
小学2年生のクリスマス。あの日もそうだった。
1週間前にサンタ宛てに手紙書いて、
それを親に投函してもらうのが毎年恒例の儀式だった。
その年はゲーム機が欲しい、って書いたんだ。
『今年はボーナス出なかったからなぁ・・・・・・。』
え?父さん。なんでボーナスの話?
サンタさんに書いた手紙だよ?
プレゼントくれるのはサンタさんでしょ?ねぇ、父さん。
翌日届いたのは安いプラモデル。父さん。僕には作れないよ。
泣いたよ。信じてたのに。
僕にも彼女はいた。高校1年生の時。
昔から好きだった子で、正直OKもらった時は泣いて喜んだ。
なのに。
昨日横にいたのは誰だよ。なぁ。
あの日は僕の誕生日で、お祝いしようって言ってたじゃないか。
急用が出来たっていうから仕方なくやめたんじゃないのか。
なんだよ急用って。他の男と寝るのが急用か。
僕は遊びだったのか。なぁ。答えろよ。
泣いたよ。信じてたのに。
いつもそうさ。信じた瞬間に裏切られる。
きっと僕が『世界が平和だ』なんて言い出したら
即座に戦争が始まってしまうんだ。
・・・何?運が悪いだけだって?
じゃあとっておきの話をしてあげよう。
これで君も信じたくなるよ。
僕が自殺した時の話だ。
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