僕の話を聞いてくれ。







学校ではみんなサンタがいるって言ってるけど、

僕は信じてないよ。そんなモノ。

だってそんなのいるハズないじゃないか。

夜中に家に忍び込んでプレゼントを配っていくだなんて。

そんな事したら捕まっちゃうよ。

みんなバカだ。騙されてるんだ。





同じクラスのマサオ君もサンタはいるって言ってた。

騙されてるとも知らないで。


『ちゃんと手紙出したらプレゼント置いてあったもん!

 嘘ばっかつくな!バカ!』


バカはどっちだ。

そんなの君が寝てる間に君の父さんだか母さんだかが

枕元にプレゼントを置いていっただけじゃないか。

サンタがデパートでプレゼントを買ったりするもんか。

包装紙をよく見てみろ。

君は騙されてるんだよ。マサオ君。





同じクラスのカナちゃんも言ってた。


『カナね。こっそり夜起きてたの。

 そしたらちゃーんとサンタさんの服着たおじさんが

 カナのところにやってきて、プレゼント置いていったよ。

 サンタさんやっぱりいるんだよ。嘘つき。』


カナちゃん。それは違うよ。

そんなの君の父さんが、デパートで働いてる友人に

無理言って宣伝用のサンタの衣装を借りてきただけじゃないか。

だいたい世界中にどれだけの子供がいると思う。

サンタひとりで全員にプレゼント配れるワケないだろう。

君は騙されてるんだよ。カナちゃん。







そうさ。サンタなんかいないんだ。

いないから僕にはプレゼントをくれないんだ。

僕だって信じてたよ。手紙を出したよ。

だけどプレゼントなんか届かなかった。

僕はちゃんと手紙にこう書いて出したんだ。







『サンタさん。僕に友達をください。』



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