僕の話を聞いてくれ。







僕はとても音楽が好きで。

よく近くのライブハウスなんぞに友達と出かけていたもんです。

その日も、テストが終わってやっと遊べるってんで

友達三人を引き連れてライブハウスに直行したんです。

そのライブってのが、もう、スゴくて。

アマチュアによくあるボーカルの声が聞こえないだとか、

ギターの音が耳に痛いだという事はまったくなくて。

英語の歌でしたけどすごく言いたい事は伝わってきて。

激しくはないけどノリはよくて。とにかく最高でした。

それで僕たち、ライブが終わった後にメンバーに会いに行って

デモテープをもらってきたのです。

とても気のいいヒトたちで握手もしてもらいました。

楽しかったです。





ライブが終わったらもう真夜中。

僕は友人に別れを告げて家路につきました。

帰る時にはさっきのライブでやってた曲を歌いながら。

家ではもう母親とか父親は寝てるので、

静かにカギを開けて入り、そのまま自分の部屋に直行しました。

そこでさっきもらったデモテープをヘッドホンで聴いてみます。

やぁ。やっぱりイイ。

僕は風呂に入り、歯を磨き、着替えて、

その曲を聴きながら眠りました。





次の日学校で、昨日一緒にライブに行った友人に会ったのですが、

なんだか彼の顔色がとても悪いのです。

彼曰く、『テープに変な声が入っている。』

との事です。

おかしいな。昨日は一晩中聴いていたけれど

そんな声は聴こえなかったぞ。

その旨を友人に伝えると彼は憤激してこう言いました。


『じゃあ今日お前の家で聞かせてやる!』





学校が終わると同時にあの日ライブに行った三人で、

僕の家に直行しました。

そこで僕の持っているデモテープをずっと聴いていたのですが、

何も変わったところはありません。いたって普通のテープです。

今日は彼も聴こえなかったようで、僕らが


『やっぱ何も聴こえないじゃん。空耳だよ空耳。』


などと言っても一言も反論しませんでした。

用事も済んだので解散したのですが、

彼は帰る直前までつぶやいていました。


『違うんだ・・・・・絶対聴こえたのに・・・・・・。』





また次の日に、今度はもう片方の友人が

真っ青な顔をして僕に言うのです。


『やっぱり聴こえたよ!・・・嘘じゃなかったんだ・・・。』


しかし昨日は聴こえなかったじゃないか。

僕がそう反論すると彼はこう言いました。


『そう思うなら思っとけばイイさ。俺はもう済ました。』


済ました?何の事だ?

彼はそれ以上何も言いませんでした。





さすがに友人二人が聴こえたとあれば

ほっておくワケにはいきません。

僕はまた例によって、寝る前にデモテープを聴いてみたのです。

一通り聴いてみましたが、

やっぱり何も変わったところはありません。

やはり聞き間違いだったんだろうと、

テープを止めようとしたその時です。



『―――――――ス。』



僕は一瞬手が止まりました。

ハッキリとではありませんが確かに聴こえます。

もう一度巻き戻して聴いてみました。



『―――――――ス。』



まだ聴こえません。

音量を少し大きくして再チャレンジ。



『――――――殺ス。』



え?

もう一度。もう一度。



『――――――ナイト 殺ス。』



次は、ハッキリ聴こえました。



『――3日 以内ニ コノ テープヲ 処分シナイト 殺ス。』







じゃあ今後ろにいるのは・・・・・・



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