11月1日 純の日記
いつから彼がそこにいたのかは覚えてない。
気づけば彼を家に入れていた。
彼と出会ったのは昨日の夜。
バイトから帰る途中の公園だった。
もう冬の11時過ぎなのに、
ひとりで公園のベンチに体育座りで座り込んでた。
眼が合った。
どこか惹かれるものがあった。
『乗りなよ。』
「ありがとう。」
その場でかわした会話はそれだけだった。
それから彼を自転車の後ろに乗せて、
ライトも点けずに夜の公園を駆け抜けた。
彼は今となりの台所。
マンションだから仕方がない。
ほかに寝れるような場所がなかった。
今日は彼にノート一冊とペンを要求された。
日記でも書いてるのかな。
しかし見ず知らずの他人をまさか自分の家に泊めるなんて。
何を考えていたんだろう。
でもなんだろう。すごくいい気分だ。
そういえば彼の名前を聞いてない。
明日にでも聞いてみよう。
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